遺言及び遺言書において【相続させる】という言葉は非常な重みを持っています。
被相続人が、特定の相続人に対して遺贈であっても、財産を【相続させる】という文言をもってなされた遺言書においては、遺産分割協議書や審判を経ることがなくても、相続が開始すれば、相続が承継されると見ます。(明らかなる遺贈と遺贈と解するべき事情が無い限り)そして、相続登記において、「相続させる」文言があれば、登記がなくても、第3者にも対抗できる(※1)のです。
しかし、遺贈である時は、相続登記は、相続人と共同で登記をしなければなりません。
そして、遺言書に、相続人に対して、指定された財産が有る時、これに反する遺産分割は出来ません。(遺産分割の指定方法)故に、自分1人で、所有権の移転登記が出来ます。
遺贈ではなく、相続人のいる遺言書においては、財産を相続させるには、「与える」とか「渡す」のではなく、「相続させる」という文言の重要性が問われるのです。
参照条文: 民法908条,民法964条,民法985条
●遺贈=自分の指定した人に、自分の財産を、遺言書でもって、一方的に与える事。
<追加>2020.2.23
●上記は、「法定相続人の場合」ですが、相続人以外の人の時は、「遺贈」と書きます。
第3者の時は、「相続させる」と書いても、不動産の移転登記は、「遺贈」と書きます。
<追記>2021.5.2
●判例:※1 平成1(オ)174 事件名「土地所有権移転登記手続」最二小判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)➡裁判長の名前が香川保一であり、そこから、「香川裁判」と言われるとある。
●判例: 最二小判平成⒕年6月10日(裁判集民206号445頁)
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