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遺言相続の話2 「また、田んぼに家が建つ ~相続破産~」

このところ、田畑を建売住宅にしているのをよく目にします。

日当たりがよくもないし、堤防下なのにと思うようなところや、隣は倉庫で朝陽の当たり時も遅くなるところや、当分空き地のままだろうなというような土地にも、次々と立っています。

近くの、農地所有の農家の人とも話してみると、農家自体が、耕作地をやっていても、本来やっていけるものではないので、どこかの会社にも勤めているというのが当然の成り行きという。

それは以前から聞いていたことでしたが。

実際、農家の人が、田を持っていても、一毛作で、自動車並みの値段の耕作機械を2台も3台も必要でローンで買わねばならない。田んぼ1反から採れる米も,年に12俵位。1俵2万円としても、12俵Ⅹ2万円=24万円。(oo小町とかブランド米はもっと高いが)年収入これだけ。3っつ,4っつ田を持っていても、100万円にも満たない。
家族2,3人でやっても、やっていけない。支出として、苗、肥料、ローン(耕運機300万円、トラクター200万円)それらだけでもすごい金額、初めから赤字どころではない。。。。との事。知っているようで知らない事でした。
(言い方は悪いが、国の大切な農業なのに、やるだけ損のような結果になる。これでは誰もが継ぎたくないと言うはず)


・昨今、H27,1月より、相続財産の基礎控除額も5,000万円が3,000万円になったばかり。

土地を持っていても、お金は持っていないと言う人も多いという。

土地を持っていれば値上あがる時代とは大昔のことなのであてにならないどころか、価格は下がるし、税金は上がるし、農家を継ぐ人もいないという状況下で、手放す人が多くなる。

土地を多く持てば持つほど、税金でやられてしまう。

払う税金がない。

土地は簡単には売れない。

一時期言われた、アパート経営も、始めに入居者が入る事はあっても、空きが出来ては収入がなくなるし、建物は老朽化すると治す費用の捻出の必要が出てくる。

建物の価値がなくなると同時に、修繕費用を借金するとなれば相続税は安くなっても、さらに、全体の財産価値はなくなる。

ともすると、価値がなくなるどころか、ローンなどもあり、マイナスにもなる。払えなくなる。

それが、「相続破産」といわれるもの。

それで、「生前贈与」が一番の対策と言われる。

年間110万円までは無税。相続税で一時的に一杯払うより、この贈与税対策は毎年出来る。


ともかく、たくさん不動産を持っている人は、その不動産のすべ手の情報(場所、面積,地価、公図、税金、相続税、土地の状況から判断できる価値の判断資料となるもの等)を調べる必要があります。


つまり、不動産すべての管理をする必要があります。
総合的なプラスマイナス計算が必要です。
それは、たくさんの土地又は、金額的に多大であればあるほど、一企業主の如くの感性が必要であるという事です。


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