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記録を付けるという事

一般に会社員であれば多かれ少なかれ、日報をつけていませんか。「営業日報」「業務日報」など、タイトルは色いろ違うでしょうが、要は、その日のやったこと、出来事、思ったことなどの記録です。平社員から、課長へ、課長から部長へ、更に、専務など上役へ(中には、社長へ)の報告は行くかもしれません。

勿論家庭においても主婦の立場から、家計をつけつつ、日記を付けている人も多いかもしれません。後々、この家計簿也日記也を誰かが読むと言う事はとても少ないでしょう。多くの日記は、校正などしていないので、文章も前後不一致であったり、ましてや、独特の文字で他の人には読めもしないかもしれません。しかし、これは記録としては、毎日ではなくとも、2,3日起きぐらいまでならば、続けているという事自体に、確固とした証拠の確実性を認識できるというものです。

つまり、何のことかと言いますと、人は、2,3日前の事ぐらいなら覚えているようでも、1週間も前ともなると、その記憶は、手帳などの記録がない限り覚えていないのが大方であるという事です。もちろん記憶力のいい人も見えますが、多くは、大体のことしか記憶になく、ましてや半年・一年前のことなど覚えていません。覚えているのはよほど記憶に残るほどの印象的な事があったからです。

TVドラマの様に、いつあなたが、事件に巻き込まれるかもしれません。その時、「その時間の記録」が残っていれば反証しやすいのです。しかも、毎日書き続けているとすれば、その保障が根強いものです。とは言え、営業日誌ならともかく、30分単位までに細かくつける事はできないでしょう。でも、「つけていた」ことによって、あなたを守ってくれもする可能性は大きいのです。

事件ばかりではありません。日々の備忘録としては、大切な記録です。

年月日・内容・思ったこと・金額・領収書・請求書・納品書などの類・名刺。出会った人との記録等々。(この中で、年月日・金額は特に大切です)

勿論この時大切なのは小見出しを付けておくことです。パソコンに記録してあるなら、検索は早いですが、手書きでは、検索は難しすぎます。その為にも、赤鉛筆などで後で見てもわかる工夫をしておくことです。

また、家計簿を付ける時にもレシートを一緒に貼るなどして取っておけば、後々食中毒などの事故が起きた時にも、それをもって証明のひとつともなりえることもあります。金額・店名を書くと言うだけではなく、レシートと言う立派な客観証拠があるのです。ただ、逆に言えば、食べ歩きを一日の内で何度もしていると、すぐに病気が発症でもしない限り、どこで食べたとかは、確証できないかもしれませんが。そのような事を考えると、常に同じ店で買い物をするとか、食べるとかであると言う時は、立証しやすいとも言えます。その時、保健所からも聞かれるでしょうから。損害賠償となる時にでも、そのレシートをもって戦えます。所詮不確かであるがゆえに、「おぼえがないから、言うに言えないし…」と泣き寝入りに似た状態を経験することがありませんか。

ただ、「レシートを貼って迄残す」という事を、普通の人がやることはないでしょう。家計を預かる主婦だからやるだけであって、そのような面倒な事に費やす暇はないと。せいぜい、確定申告・年末調整のための、医療費領収書、生命保険・損害保険領収書、営業に使用した衣料の領収書などでしょうか。

人間は、殆どテストがないと勉強しません。ましてや、テスト前夜にしか勉強しないこともあります。風邪を引いたぐらいでは医者に行かなくても、熱がいつまでも下がらないとなれば、医者に走ります。普段、健康なら、定期健診すら忘れると言うより、はなから気にも停めません。

少なくとも、その日の記録を付けるという事があなたとあなたの生活を守るひとつに成ることは確かな事です。事件も事故もないことが幸せです。しかし、あるかないかなど誰にもわかりません。「備える事」これが予防法学のひとつという事です。

また、あれこれ言えばこんなこともあります。「断捨離」と言う整理整頓のことからは、いつまでも、残しておきたくないことも確かな事です。まあ、せめて5年くらいは、残しておけばどうでしょうか。そしてまた、パソコンに遺言めいたことなどを残しておいても、その人が必ず書き残したことかどうかは不確かでもあります、誰かが書き換えることもあります。その点、手書きであれば、パソコンよりは、正確でもあります。(筆跡鑑定云々を問えば難しくもありますが)

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行政書士 井原法務事務所
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