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「社員心得帖」松下幸之助著 📖

以前,この本について紹介しました、本日は、その中から別のお話を紹介します。重複することも書きますが、ご了承ください※1


言わずと知れた、この人は、「経営の神様」と言われる人物。多くの人が、彼の人生訓・経営哲学を学んでいます。永久不滅ともいえるその哲学は、多くの人に感銘を与え、少しでも、彼の知徳にあずかろうと、その神髄を懸命に勉強します。
この本の中(44頁)にこのような言葉が書いてあります。
「私は、~ちょっとしたことが、周囲の人々に安心感を与え、そこからその人に対する信頼が少しずつ集まり、高まるのではないかと思います」
私たちの普段生活の中では、「平凡な毎日が続くだけで、何一ついいことがない。こんな人生がずっと続く」と嘆く人のなんと多いことか。(私もその一人?!(❁´◡`❁))
しかし、「日々是丹精」という言葉があるように、<毎日の何気ないほんのちょっとしたことでも、繰り返し続け・反省を重ね・前進すべく生きていく>ことにこそ、人生生活の神髄であることと知る時があります。
そこには、人と人との交わりの中で、簡単で、いつもすべきことがあります。
その一つが「挨拶」です。気軽に「おはよう」「こんにちわ」「こんばんわ」が言える中であればこそ、協力や助け合いもできる社会構築の基礎なのです。


又、彼はビジネスにおいて、こうも言います。(同45頁)
「あの人は信頼できるな」という人は、必ずきちんとした報告をしてきます。~ そのような意味で、平凡なこと、些細なことをおろそかにしないというところに信頼あつく、その会社になくてはならない人になるための第一歩があるという気がするのです」
仕事においても生活においてもすべからく、基礎的事項は「ほんのちょっとしたこと」にこそ、「信頼」が包含され、平和な社会・住みよい社会・助け合いの精神が育まれる社会を作っていくことになります。
人は兎角自分が貧乏であったり、心身の障害を持っていたりすると、そうでない人や裕福な人をうらやみ、ののしったり、危害を与えたりもする人が世の中にはいっぱいいます。
いつまでたっても、怖い世の中で、「人を見たら泥棒と思え」どころではありません。


人の世とは、野生動物の世界と同じで、食うか食われるかに終始しています。人間本来の「人は考える葦である」というのは、哲学者の思考世界から、どれほど進化しているのかと問えば、まったく進化などしていないのではないかとも言えます。
勿論科学は進化し続けます。しかし、この世の主体は、人です。
「人とは、人と人が支える(助け合う)と書いて人と読む」というように、「食うか食われるか」というような毎日にばかり生きているのではないのです。もちろんビジネスではそれを揶揄して言います。しかし、人は24時間中その中だけで生きているのではありません。
西欧人の生活スタイルのように、仕事が終われば個人の時間、一切仕事は受け付けない。日本人のように、24時間中365日仕事づくめの人生で心身をすり減らして終わってしまうような国ではありません。ブラック企業というような言葉が出てきたような社会の在り方を戒めるようになってからというのは違うかもしれませんが、日本も「働き方改革」が叫ばれてきました。


しかし、定時時間だけの仕事報酬では、ゆとりある生活というのはできません。それを補充説明するような言葉として「副業」の勧めが提唱されてきました。「自由な働き方」というスタイルでもありますが、「何が本業であるのかわからない生活・副業に精を出し、本業をおろそかにした生活・副業しなければ、生活できない実情・資源が元々ゆとりのない国」そんな中でも、(貧乏な生活苦)日本人は、一所懸命生きてきたというよりは生きざるを得ませんでした。

結局、一部の人だけが裕福な生活者で、多くの人が貧乏な社会。そこに生まれてくるのは、「信頼」ではなく、ののしり・妬み・誹謗中傷など平気で人を傷つけることを生きがいにしている人間のなんと多いことか、です。これも世界的ですが、ネット社会は、それを後押ししています。


本来日本人は、貧しさのなかでもお互いに助け合う精神が生きてきた国ですが、科学・文化は発展しても、精神は益々後退していくのは誰しもが感じていると述べています。
これは、高齢者に似ています.人は年を取れば、熟年者として世界を知り、体は確実に老化していきますが、精神年齢だけは、40代ぐらいまでで止まってしまいやすいのです。
今の世界に似ています。文化だけは熟していきますが、心は進化していない・止まってしまっているのです。とても似ていませんか。



人は物事をすぐ忘れもしますが、都合のいいことは忘れるようにしていると言い換えたほうがいいようです。つまり、個人主義が先行しているより、利己主義社会がより一層進んでいくだけです。だから、永久的に、もめごとは無くなりませんし、一層増えていきます。


私たちの社会は私たちだけのものではありません。子供たちの未来の為に、住みよい社会を構築していかねばなりません。うわべだけではない住みよい社会。



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