「相続」という言葉は流行なので、「貰えるものは貰わねば」とか「いくらもらえるの?」ばかりの思いが強いものです。
そもそも、多くの人は、相続財産がいくらあるのかさえもしっかり知らないのです。
「うちはこれくらいある」という話もする家庭もあるでしょうが、事細かに、相続人全員が知るという家庭はほぼないでしょう。
被相続人が亡くなってから相続財産の総額を知る、というのが多いのは、それほどの家族の仲がいいとか悪いとかではなく、相続についての意識が薄いからにほかなりません。
勿論親から子へは、この家を守って行ってくれという話は出るでしょう。
しかし、そのような話が出る家庭というのは、ある程度以上の財産があるとか、何かしらの事業をやっており、そこを引き継いでほしいというような家族がほとんどでしょう。そのほかの家庭においては、あまり多くない預貯金や、祖先から又は親が購入した不動産などをそのまま承継するくらいがほとんどでしょう。
すると、その他は、今時の思考形態もあるように、「我が家」「我が家系」を承継してほしいという考えはなく、むしろ、子供は子供の人生を歩めばよいという考えが主流になりますから、「家系」という考えは薄いのです。
そのような家庭においてはいくら遺言相続の言葉が流行っていても、その場の財産分割や財産承継だけの意識に終わります。
そこで相続が始まってやっと「我が家の財産(の全て)」を知ることになります。
その時誰もが想像するのは商売でもやっていない限り考えて居るのは、プラスの財産ばかりでしょう。
つまり「親の借金」があっても、相続時に初めて知ることになり、「そんな金は払わない・貰える財産相続分だけもらう」という思いばかりです。しかし、相続というのは、マイナス財産つまり、借金も相続するものだと知ることになります。
プラス財産だけの相続はできないことを知り、マイナス財産も相続してその両方から、相続す方が得なのか、損なのかを計算します。そんな時には、相続放棄しかありません。当然いくらたくさんのプラスの相続財産があっても、プラスマイナスして、そんな時は放棄せざるを得ません。
要は、生前に家族そろって財産について・家系についてなどの会話をしておくべきなのです。していないから、ただでさえもめるものが相続が始まってから余計にもめます。
上記の「マイナス財産」という事についての法律知識もその時に知るべきなのです。
親が借金を完済していない場合は、相続人がそれを承継します。このことも知らないでしょう。そもそも今の時代、全員というくらい、クレジットで物を買いますから、一括払いでなければ、ローンも残ったままになります。それがなくても、クレジットカード自体使用しているので、たとえ少額でも,年会費なども、必ず生じます。まったく「0」という事はないのです。
では、借金などがあった場合、放棄するときはどうするか。相続がはじまったら3か月以内に相続放棄する裁判手続きが必要となります。
結論
・借金も相続財産である。
・相続は、生前から始まっています。
だから、生前健康な時から、「家族で何でも話し合う」ことがいかに大切かです。そうしていれば、健康な時に少しでも借金問題が減少することにもなるでしょう。
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