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事務所開業の話 1 「開業資金と気構え」

1⃣第一にお金

事務所を開業したら、一番初めに思う事は、「どうすれば、やっていけるのか」です。
不安ばかりが先走るのは誰しもです。
ですから、例えば、3年ぐらい遊んでもいいような資金の準備が必要です。
これは、開業以前から考える事です。将来、この仕事をやりたいと思った時に計画する事です。
物事すべて始めるには、お金が必要です。
かつて、「電話と机があれば仕事が出来る」と言った宣伝文句を掲げた仕事が一世風靡した時代もありました。
しかし、事業を始めれば、すぐわかるのが、運転資金です。
仕事をやればやるほど、備品から始まって、営業ツールは必要かつほしくなります。
車・固定電話(FAx)・携帯電話・パソコン・プリンター・営業ツールとなるチラシやパンフ等・名刺・基礎の書籍は、最低限必要。
そのような時に、営業からすぐ売り上げにつながり、収入が確保される確率は、ほとんどありません。
「先立つものは金」と言う意識の元に、開業を考えないと、直ぐに閉店の憂き目にあわされます。
また、どこかに勤めてとかバイトをしながらと言うのも、出来る人とできない人がいますし、兼業・副業は、時間ずれが発生しやすく、体調不良にもつながります。


極端な話、仕事が無くても、お金さえあれば、存続できます


元手となるお金は、自分で集めることが肝要です。

身内や知人から集めて、それを元手に始めるのもいいですが、その時はすでに、それが「借金」であることを肝に銘じなければなりません。
法人組織で始めるともなれば、第一期から、利益を生みださねばなりません。
士業で、初めから法人成りで始めることは、すでに基盤が出来ているところだからでしょう。
そうでない人は、すべからく、個人開業です。
個人開業でも、我が家を事務所兼業にするのか、どこか事務所を借りるのかでも、運営計画は全く違ってきます。
また。独身であるか既婚であるか・若いのか若くないのかでも、やはり事業計画は異なります。
独身で若くあれば、たとえ閉店しても、やり直しはいくらでも効きます。
しかし、若くないとか、既婚であるならば、すでに開業=死活問題と言っても過言ではないのです。
安易に、資格を取った、開業したいだけでは、成り立ちません。
資格に合格したと言う時点では、喜びと同時に、「資格に合格しただけ」と考えるべきです。
これから先が、暗黒の世界です。

開業資金を借りて始めるなら,「創業支援金」としての補助金制度なども探すべきです。



士業でも、始めるなら、若い時です。定年後第二の人生などと考えてではできません。
よく「いつから始めればいいか」と言う質問に対し「いつでもいい」と言う回答があります。
これは、正しいとも言えますし、間違っているとも言えます。
簡単にいえば、「鉄は熱いうちに打て」といいますいし、人によっても事情が異なりもします。
また、たとえ公務員で、行政事務職だったとか、その延長線で資格を得たと言っても、食っていける保証はありません。
往々にして、その人たちに多いのが、「どうにか食っていければいい」という考えの人が多いと聞きます。
つまり、退職金とか、資産とか、彼らは、お金があるのです。
だから、仕事が無くてもやっていけます。


以前も、どこかのセミナーでセミナー終了後に雑談の中で、「食っていければいいので、かたてまにやっています」と言った人がいたと不信感を持った人の投稿を見かけました。
それでは、意気揚々とセミナーで情報を得るべくしてきた聴衆者には、無礼でもあります。
お金を払ってきた人にはそれなりの成果を受け取ってもらわねばなりません。
「お客様は神様」とは、お金を払ってくれるので神様と言うだけでは無いのです。
戴くお金は、それに見合った何かの情報なり知識なりを受け取ってもらう事に、意義があるのです。
その為にも、アンケートを書いてもらい自分への反省を促すのです。


士業で、すでに他に司法書士・社労士・土地家屋調査士などを持っていて、ついでに行政書士を取ったと言う人は多いです。
しかし、彼らにとって、行政書士は、本業ではありません。
ともすると付録のような存在でもあります。
兼業で持っていれば、同時に仕事が出来ると言う美味しさです。
行政書士は兼業者が多いのも事実です。
行政書士では食えないと言う実態からも余計そうなっています。
行政書士だけでダントツに食っていけている人は、別の要素があります。
この業界の天地の差は、究極状態でもあることは、誰しも知っているところです。



2⃣未来を創造するには・・・

では、未来がないと言っているのも同じだと思われたでしょうが、それも事実です。

しかし、もう一つ大事な事があります。

それは、「何が何でも、これでやっていく」という意気込みです。

裕福な家庭で生まれ育つと、それが普通であると認識しながら育ちやすいものです。

今日明日食べていくだけで精いっぱい、働くだけしかなかった…と言う人の方が、成功不成功は別として、生きがいのある人生を送ります。

故に、ついでに取ったと言う人・生活に困らないと言う人以外の人で、そのような認識を持っているならば、そしてお金の準備が出来ているならば、いつはじめてもやっていけるでしょう。

未来を明るく考えるのも、暗く考えるのもあなた次第です。


そして、もうひとつ、若いころから、とりわけ学生の頃から、友達作り・人脈造りを真剣に考えましょう。
時として、誰かのプロフィールの中で、「何もないところから、今の自分を作ってきた、何度も挫折したが、自分がつかんだこんな方法を紹介したい」と言うのを見かけます。
これは、誰しもが、共感しやすい文句です。
しかし、これは、共感しやすいうえに捏造したうたい文句でもあることが屡々あります。
そのような謳い文句に共聴しない事です。
勿論、本当にそのような生き方をしてきた人もいます。
それが真実なのか嘘なのかを見極めて、その人のやり方を調べる必要もあります。
何故なら得てして、開業者や既事業者にとっては、関心の高い話ですから、誘い込まれやすいのです。
ベストセラーだからいい本とは限らない様に、宣伝文句に騙されない事です。


慌てるのと急ぐ事とは違う事も、肝に銘じましょう。

知識がないから、経験がないから、必要な書籍がないから・・・・何かの売込み的な情報に、すぐに飛びつくのではなく、多くの人(先輩・書士会など)に聞いても見ましょう。
「開業されたら、これが必要ですよ」などと言うのは気を付けましょう。
どんなものでも、いいものは訪問販売の様な売り込みに来ません。売りに行かなくても客側から来るからです。当然でしょう。いいものはすぐ伝わり、誰もが欲しがります。


「ひよこ狩り」

という言葉を聞いたことがありませんか?

これは、資格を取って開業したばかりの人をマークして、その人にモノやサービスを売りこむ営業を指します。業者からすれば

「いいかも」

だからです。

先ほど言った本やホームページ作成ばかりでなく、開業セミナーへの誘致もあります。つまり、「これでできる開業セミナー」というような名目を掲げて、このセミナーを受ければ、仕事が取れるという内容のセミナーへ誘うのです。もちろんセミナー代は、10万円、20万円とい単位の高額なものです。そのようなものを聞いて仕事が取れるなどというものが、どれほどのものか、受けてもいませんが、受ける気もありません。鼻から、うさん臭いからです。
営業のハウツウの神髄を、高額であっても、簡単に教えてしまっては、教えたほうが、食いぶちに困ってしまうことは、言わないまでも周知のことです。
誰しも抽象論的ハウツーは教えたりはします。具体的であっても、誰にも同じ結果が出るようなことはありませんし、たとえ原理原則を教えても、受ける側も、十人十色であります。
もし、誰にでも同じ結果がでる神的営業論を教えるとしたら、10万・20万円ぐらいでは披露しません。



最後に一言・・・・
逆に、このような考え方が出来ることも必要です。
「物事はなるようにしかならない」
と居直れるほどの人物になる。



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