1専門家のリスクの為に書いた専門家の本
誰しもが、物事の理解・調べ物には、目的とするタイトルのものだけを調べがちです。
例>「税務申告」を調べる➡「税務署」「税務申告法」「税務通則等の法令」
これは、調べる対象が、明確であり、汎用性のある題目なので、多くの文献資料もあり、調べやすいのです。
普段は、この他に、経営者・評論家・実務家などの書く経営論の本に「税務申告」「税」そのものについてのアドバイスを見つける事があります。
これらは、時に、その内容から絶賛されるほどの名著が出版されるにおよび経営者としても必読書に掲げられます。
勿論、それらを一度は目を通すゆとりが欲しいものですが、ベストセラーと言うものすべてが、いい本ではない事や、ましてや宣伝など作られたベストセラー本もあることも認識の上で、選択をする事は大事ですし、それについては多くの人も知って見えるでしょう。
そんな中で他にも目をやりたいものがあります。
それは、専門家がかいた経営者・経理担当者などにはあまり関係のないような類の本です。
例えば、税理士の書いた「税理士の損害賠償論」です。
どの士業にも、損害賠償に対しての対策として、賠償保険に入っているのが常でしょう。
しかし、各士業にどのような損害賠償の事例が発生しているのかについては、各士業だけにしか興味のない範疇と誰しもが思うでしょう。
各士業者のリスクマネジメント対策には、このような本は、必読書です。
これらの本には、士業のトラブル発生から裁判に至るまでの事象について述べられています。そして、ここには、専門家と顧客の関係における注意事項も出ています。それは当然、専門家だけでなく、顧客側の専門家利用の際の注意点ともなっています。
顧客側のトラブル発生時に、それは士業側・専門家側にとっては、被害意識を持つものですが、そこに注目すると、お互いがつぶれてしまいます。
そうではなく、悪意のない正当正確な仕事の中で起きたトラブルに対しては、両者が被害者であると捕らえる考え方が大切です。つまりは、予想の付かないトラブルの発生以外の対策を取りいれた予防策を考えるには、このような本は、参考となります。
2「先手必勝」
そしてこのような防御の中で等しく言えるのは、「先手必勝」だと言う事です。
すべからくすべての生活は、「先手必勝」ですが、それは、「結果」を予想するからです。
何も必要のないことまではやらなくてよいのですが、身の回りは「危険だらけ」と思えば、この世はすごく生きずらいものだと思う事でしょう。
すべからく「うまく生きる」人は、頭の良さもそうでしょうが、「先手必勝」としての「防衛行動」を常にしているに違いありません。
と言ってすごい事をやっているというよりも、普段の生活の中で普通に誰しもができるが、誰しもがなかなかやらない事を、いかに真面目にコツコツとやっているかに違いが出てくることです。
毎日食後には歯を磨く・毎日運動をする・計画表に沿った生活をするなど、誰しもが考えることです。(それが誰しも三日坊主に終わります。)
これらが、全ての基礎になっている事を忘れます。
会社においても、トラブルに対するマニュアルを作っているところも多いでしょう。
こまめにそれらに沿って、先手を打つ手法を振り返りながら次に備える。その繰り返しです。
例>建設業の許可を取る➡更なる健全な会社を目ざす(社会保険完備、給与・労働時間・福利厚生の充実など)➡人材の確保➡事業の拡大(経審・入札参加・会社組織の編成など)➡事業承継
この時、許認可、会社法規、労働法、事業承継等事前対策の準備は、一長一短ではできません。だから、弁護士をはじめとする専門家との連携が必要です。
この専門家を選ぶときには、トラブルに対して解決を求めるわけですが、これを「専門家の表の意見」と見るならば、専門家が陥いらないための予防策としての専門家用の損害賠償論は、「専門家の裏の意見」(むしろ裏技)と捕らえていいでしょう。実はこれこそが、問題解決の筋道のひとつだと認識するでしょう。
ここに「リスクに備える」=リスクマネジメントがあります。
専門家が専門家のリスク対応の為に書いた本は、企業のリスクを、別の角度(裏)から読み取る方法のひとつです。
0コメント