普通、本の紹介と言うのは、読んでよかったので、誰かにも教えてあげたいからであって、面白くもない本を紹介はしませんね。
では、これは、面白くもない本の紹介ですか?と、お思いでしょう。
「はい、そうです」としか言えません。
が、なぜこの本をご紹介するのか?と言えば、ひとつは当時としては名の売れた著者の本だからです。
そして、読んでみたからわかるのですが。
私も、この著者が、ひとつは有名だから、購入したのです。
他に、もっと有名なのが「幕末百話」と言うのがあります。
これに興味をいだいていたので、こちらも買ったと言うのが本音です。
「面白くも無い本」と言う私自身の(偏見?)思いが有るのは、当時、巷の話としては、情報が豊かで、ニュースに花を咲かせるほどに、西欧化に貧窮していた時代に有っていたからに過ぎないのが、この本の読後感です。
世間話集としか感じません。
つまり、銀座における人々の思考行動を収集しているに過ぎないと思うのです。
勿論、その点からすれば、民俗を研究する人にとっては、資料となるでしょう。
しかし、娯楽も嫉妬も溢れすぎた今と比べれば、ないに等しい時代なので、このような社会風刺的な事象を集めた物は、出版数も少ない時代にとって、貴重で有ったろうと覆われます。
「本を読む」と言う事の中には、「積読」もあります。
読むつもりだか今すぐではないので、本棚にでも並べて置いて、いつでも読める(と思うだけ)状態にしておくことです。
その意味では、まさに、「積読」です。
そして、この本も「積読にしやすい、されどいつかは読もう」と言う一冊です。
かつて、「明治は遠くなりにけり」と、言われた頃からも、随分遠くなりました。
くどくどしくもなりますが、多分に懐古趣味的関心があれば、当時の様子が想像できるでしょう。
それを知りたい方向けには、とても欲しい本のひとつとなります。
結論
決して、この本を愚弄しているのではありせん。その点ご了承願います。
「銀座百話」篠田鉱造著(河出書房新社)
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