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企業が生き残る為に


倒産の憂き目にあわないまでも、国や自治体の補助金や自社の保留資産だけで賄っていける内は未だ幸運なわけです。
町中を車で走ってみれば、休業看板だけでなく、建物解体中の現場や解体後の空き地を目にすることが多いものです。
コロナばかりでなく、いつの時代でもそうですが、ひとつの事業だけで経営不振に陥る事から、事業転換をおこない、生き残るところもよく聞くところです。
客待ち商売である飲食店をはじめとする小売業も、デリバリーを行ってみたりしているのは、ニュースでも流れているところです。
と言って、これもどこでもできるというものでもないでしょう。



中堅以上の企業

多角経営の企業であれば,ひとつの事業がだめなら、それを切り捨て、他の事業部門に力を注ぐことも有ります。
元来、そのようなリスクに備えるのが、事業部制でもあります。
ひとつの危機管理なわけです。
これは、会社が大きくなっていく過程においてですので、小規模企業に取っては、当然ながら、また別の道を考える必要があります。


この事業部制をはじめに行ったのが、パナソニック'(当時の松下電工)です。

当時このような組織形態をとったのは、画期的であると評されました。
事業部制のメリットは、・・・
➊トップは、経営に専念できる
➋各部門が活発化する、
➌部門間の調整が容易になる
❹経営管理意識が出てくる
❺責任体制の確立
などがあります。
ただ、どのような事にも、100%のメリットばかりではありません。
メリットがあれば、デメリットもあるわけです。
其のデメリットには・・・・
➊自分の部門だけを優先させる
➋経営活動がおろそかになる
➌部門間の協調性がなくなる
❹社員の業務の重複が進む
等が出て来ます。




会社存続と社員への還元の選択

では、小規模・零細企業は何処に活路を見つければいいのでしょうか。
やはり、ひとつは「自己資本の増大」が第一です。
家族だけで事業を行っている場合は未だ自立歩行が出来るかもしれませんが、1人でも従業員を養っているとか、事業拡張や設備調整のために借入などをしている場合は、困るものです。
その時、当然「自己資本」の余裕があれば乗り切れる可能性があるのですが、無いと倒産・廃業となりやすくなります。
では、コロナなどない普段の時にどうするか?です。
平時に、少しでも利益が出た時は、「自己資本」として蓄えるのです。
誰もがやっており知っているでしょうが、一時でも利益が出ると、社員への還元という事が考えられます。
しかし、全てそれを行っていては自己資本が増えません。
その時は、危機管理のためと言う事を社員に納得いく説明に変えることも難しいですが必要です。
つまり、会社が危ない時に社員の解雇になるよりは、今の利益を温存することで、社員への還元を控えるほうが得策であると言う事を説明するしかないでしょう。
また、そうしている会社も多いのです。
ですから、社員から利益が出ても、還元が無いことへの文句が出て来ます。
それで社員が辞めるると言う事も出て来ます。
しかし、この辺の事情を考えあえる上下関係になっていると言う事が必要だと言う事です。
中小企業の給料が安いと言う理由のひとつは此処にあります。

いつかのために社員に納得ある説明をして蓄えておくか、ただ会社のために、危機の時のためにと社員に言って(又は、社員に納得もなく)蓄えておくか。

多くは、「社員に還元するのではなく、会社のためだけに蓄える」と言うのが普通でしょう。


言いかたは悪いですが、やはり、自己資本がゆるぎない額までに形成されない以上は、「飴と鞭」の様な使い方と言われるようであっても、致し方ない面は出て来ます。





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行政書士 井原法務事務所
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