●法律書の出版社としては、昔から、よく知られているところとして、岩波書店、有斐閣が有りますね。
その有斐閣社には、かつて、(今から半世紀ぐらい前)「学術選書」なる名をもって、出版されたシリーズものが有ります。
これらの著作について、私ごとき者が、云々できるような書籍ではないのですが、その恥を忍んであえて、お話させていただきます。
有斐閣さんの書籍には大いにお世話になっています。
この学術選書に名を連ねている書籍は、11冊ほどですが、全てが、各分野での金字塔的存在となるものばかりと言われます。
基本書を読破したら、書棚に置くのは、これらだけ・・・というのもいいほどのものです。
勿論どれも出版された時が古いので、時代の要請にあっていない部分もありで、しかりですが、そもそも、これらを読破すること自体がとんでもなく難しいのです。
中には旧字体・旧文体であるのも有りで、余計に難儀です。
まあ、どれも研究書ですので、難儀なはずですが。
ただ、これらの名だけでも知っている者としては、書棚に置くだけでも優越感を持ちえます。(^_^)
1 近代法における債権の優越的地位(我妻栄著) 初版昭和28年発刊
2 犯罪構成要件の理論(小野清一郎著) 初版昭和28年6月30日発刊・旧字
3 無過失損害賠償責任論(岡松参太郎著)
4 債権法における信義誠実の原則(鳩山秀夫著)
5 民事訴訟法の諸問題(雉本朗造著)
6 商法解釈の諸問題(松本丞治著) 現在有斐閣にて16,170円
7 社会法と市民法(橋本文夫著) 現在有斐閣にて15,730円
8 法源と解釈(杉山直治郎著)
9 商法の理論と解釈(竹田省著) 現在有斐閣にて19,470円、Amazon1820円~
10 民法におけるローマ思想とゲルマン思想(平野義太郎)
11 破産・訴訟の基本問題(井上直三郎)
著者の先生方は、いずれも明治大正昭和に生き、今は亡き方ばかりですが、法学界において偉業を為された方たちであると聞きおよびます。
・我妻栄・・・・民法の大家、今日でも、「我妻民法」は、戦後民法の頂点にあります。
・小野清一郎・・犯罪構成要件理論の大成者、
・岡松参太郎・・民法学者。
・鳩山秀夫・・・鳩山内閣家系。ファミリーには、井上馨、美濃部達吉、末広厳太郎他、著名家一杯。我妻民法の先駆け的民法の大家、「日本債権法総論」
・雉本朗造(ちもとときぞう)・・・民事訴訟法学の先駆者
・松本丞治(まつもと じょうじ)・・日本商法学の巨頭。
・橋本文夫・・・・唱和前期の社会法専門学者
・杉山直治郎・・・フランス法、比較法学の基礎確立、東京帝大教授、学士院会員、中央大学比較法研究所長、
・竹田省・・・・・京大名誉教授、商法博士、関西大15代学長
・平野義太郎・・・マルクス主義法学者、アジア主義論者。
・井上直三郎(いのうえなおさぶろう)・・・破産法・民訴法、京都帝大教授
これらは、現在有斐閣で扱っているのもありますが、ないものも有ります。
いつか復刊されるかも(?)
ないものは、図書館でも、大学の図書館でなら探せるでしょうが、今や、古書店でも探すには一苦労でしょう。
ネットでも品切れが多いです。
それに、すべて揃えるには、値段も安くないので、簡単に手の出せる物ではない事に、寂しさと、驚きと、所持している事の優越感と・・諸々の感情が入り乱れます。
・いい本と言うのは、古書だからと言うだけでなく、今はとても高い・・・です。
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※上記資料は、ネット、各書籍(事典辞典なども含む)からの抽出と読後における感想を入れたました。
参照:「法律学辞典」「日本の法学者」「我妻栄著作の民法関係」その他、上記書籍巻末資料、
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