毎日の会話の中で、諺と言うのは、あまり聞くことが無いように思われますがいかがでしょうか。
経営に関してもいろいろ諺がありますが、経営訓として多くが語られます。
それに対し、法律にも「法諺」と言うものがありますが、これまた一般の諺以上に全くと言っていいくらい知られていないでしょう。
抑々,「法諺」等があるのかと思う位でしょう。
知っているとしたら、法律の研究者や、法曹関係ぐらいの様な気がします。
法学部の学生でも、ほぼ知らないのではないでしょうか。
それほどに、知名度が有る無よりも、必要性と言うか出番がないからでもありましょう。
又、法律を必要とする職業においても、諺がつい出てくるようなことはないのでしょう。
本来、法律そのものを会得する方が先であり、又、そこに到達するのも中々である故に、ことわざなどは無用の物とも思うと言う方が当たっているようでもあります。
「法諺(ほうげん)」なるものは、法制史学のひとつであり、西洋では、それが盛んであると言われます。
法諺は、法の一般原理が具現化したものであると言われます。
しかし、日本はそれほどに研究も少ないと言われるように、広まっていないからという事も有りそうです。
しかも、「法諺」は、元は、法諺であったものが、一般の諺になったと言うものが有る故に、余計かもしれません。
そこで、私も、知っているわけではありませんが、これから、時折「法諺」を拾ってみようかとも思います。
私も私なりの感想を交えて、世間に披露することで、「法諺ってこんなものなのだ」とか「こんなのがある」という思いをされたら、それだけでも幸いと思います。
そこで、本日ひとつご披露します。
「郷に入りては、郷に随(したが)う」
これは、鼻からお判りでしょうが、「郷に入りては、郷に従え」(荘子のことば)です。
西洋の「ローマに入りてはローマに従え」と訳される「When you are in Rome,do as Rome」と言う有名な諺と同義です。(イギリスの諺)
世界的に、封建社会においては、場所によって法律・慣習もちがい、場所を変えれば、変えた所の法律慣習に従わなけれねばならなかったのは、何処でも同じだったと言う事です。
アメリカは、州法と言うものが有り、州ごとにより違うと言います。
日本でも、江戸時代には、私法・訴訟法において、江戸と大阪では大分違っていたと言われます。※1
これはまさに、この諺そのままの場所です。
※1 日本法制史関係の文献をを読むとその事は述べられています。
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