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終活講座「エンディングノートの話」1

1エンディングノートとは?

終活と言う言葉が、言われ始めてから今や,すっかり定着した言葉となりました。
本来、就職活動=就活を真似たものが多く出回っていますが、その中でも、終活(=人生の終了に備える活動)と言う言葉は高齢化社会の象徴その物にもなっています。
相続・遺言書の下準備としての意味合いを持ってるこのノートは、書店に多く出ていますが、タイトルは違っていても、中身に差異はほとんどありません。
故に、掲載内容については、マニュアル化されていると言えます。どの項目も、一言で言えば、「伝えておきたいこと」に終始しています。
勿論、そのためのノートですので、タイトルも「伝えておきたいこと」であっても、変りはありません。
何故に敢えてそういうのかと言えば、「市販品を買ってまでしなくても、大学ノートを使えばよい」と思うからです。
伝えておきたい事は、残される家族に対してであり、書きたいことはいっぱいあるはずです。
そうであれば、決められた、頁の中だけに納まる事はありません。
一杯書こうにも、他の用紙に書いてそれを、このノートに挟みこむのでは、いつかは、乱雑になり、見にくい=検索しにくい物となるでしょう。
このノートは、「人に見せるためのノートである」ので、家族に分かる様に書いておかねばなりません。
勿論、あなたにも、家族にも今すぐは話せないこともあるでしょう。
それはそれ様のノートを別に作るのです。つまり「(今は話せない)私だけのノート」です。


さて、あなたは、今のあなたという存在をどう思われますか?             多くの人は、貴方のお父さんがいて、お母さんがいて、二人からあなたは生まれたのでしょうから、例え天涯孤独と言っても、誰かのお世話になりながら大きくなったことには間違いがありません。人は人と人のつながりの中で生きています。
貴方の家系も、子孫の為に多くの遺産を残すべく生きてきたことでしょう。
自分たちだけの代で、子孫のことなど関係ないと思って生きていたかもしれませんが、多くの家族は、家族の為に生き、子供のために、孫のために生きているのです。
意識するしないにかかわらず。親が家族の為に生きていると言うのは、子供の為が第一であり、自分たち夫婦は二の次であるのが普通です。
子が大人になり、孫が出来ると、愛おしくてしょうがありませんが、その子の人生を子供共々幸せであるようにと願う事に執着します。
とは言え、孫でも小さければ小さいほど、祖父母の愛は共に生きた年月が長くない限り、その恩恵すら忘れやすいものです。


しかし、皆がそれの繰り返しで、家系は交代し継続していきます。
その時に、誰もが考えるのが、「家系の継承」です。昔の侍や商家においては特に、家系を継承出来ない事は、御家断絶であり、いかに、健康で文武両道に優れた子供や商才にたけた男子を望み、子宝に恵まれぬ嫁は、離婚されても当然でもあったのですから。
代々受け継がれてきた家の財産・教訓等宝物と言えるものを受け継ぐ為にも、多くの証拠を巻物や紙綴り※にして残してきたのです。つ
まり、このような事からしても、次世代に語り継ぐために必要なノートが「あなたの家系を継承するためのノート」です。
(※話はそれますが、江戸時代の多くの書物が残されているのは、江戸時代以前とは異なり、信長らにより、書状などを多く使い、そのためにも和紙の生産を奨励した所以もあるという事です。)


2.いつ書けばよいのか?

普通、老いを感じるとか相続や遺言書について考える時は、いくつ位からでしょうか?

年齢的には、50歳とか定年を迎えた時でしょうか?。

先ほども述べたように、今は、高齢化社会と騒がれる真っただ中にあるので、多くの人は、早くから相続問題には関心を持っている筈です。

40歳が、年齢上は初老と言われます。かつて、とあるCMでは「25歳はお肌の曲がり角」とも言われましたが、20代、30代、40代は、働き盛りで、体系的に老いなどとは無縁ですが、(実際は、体は、老化に向かっています。)ですから、若い時に、相続の話などして、その場は聞き入ったとしても、実感は薄く、身に付きませんし、考える時でもないのでしょう。しかし、人生80年を起点に考えても、40歳も過ぎれば、人生はユーターン地点であります。そのころ、身内や知人・近辺に変化があり得るかもしれません。

その時に「命」と言うものに初めて真剣に向き合う事になるかもしれません。

そうして、終活・相続・遺言等の行動をとるのが多くの人のパターンでしょうか。

しかし、5年10年などと言うものは、あっという間です。

40歳でも,このノートを始めることは、早いものでもありません。

終活が、年齢から考えるものではなく、人生の節目として、家族への連絡事項として、「oo家を来世に伝えていくため」でもあります。

そう考えれば、40歳くらいの時点では、「そろそろ考えてもいい頃」と言えませんか。

それに、人生は明日というのは分からないものですから。


3、どんな内容が盛られているでしょうか。

➀自分史(自分の生まれから今までの学歴・職歴などの履歴をもとにした歴史を綴る)・自分について(趣味・性格・好き嫌い・パソコン携帯情報)

⓶家族の構成・相続人

③財産記録(家土地などの不動産・車・預貯金・株や有価証券・ゴルフ会員権・保険・年金・借入金・ローン・クレジット・金融機関情報・口座引落し情報)

④家系図・親戚関係図

⑤遺言・尊厳死宣言書・後見委任事務・

⑥写真・残しておきたい記録・CD、DVD

⑦健康管理・介護要件(老人ホームや介護施設・延命措置)

⑧葬儀・墓・仏壇・遺品整理

⓽知人・友人関係

⑩家族へのメッセージ



4.まとめ=エンディングノートとは


・伝えておきたいことを書くノート
・人に見せるためのノート

・(今は話せない)私だけのノート

貴方の家系を継承するためのノート

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行政書士 井原法務事務所
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