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集金と口座自動引き落としというもの

公共料金に始まって今や多くの物が、口座からの引き落としとなり、一々、支払いに行ったり、集金に来てもらったりが少なくなりました。


口座引き落としにより、集金に係る、人件費も、未集金も少なくなり、仕事の効率化が図られています。当然、集金に行かなくてもよい分、他の営業などの業務に専念する時間が取れます。個人企業や、従業員の無さに困る企業にとっては、いいことずくめのようでもあります。

ここに、メリットもその者自体の裏返しのデメリットもあります。販売者(債権者)側にとっては、クレジット会社などを通すことで、手数料を取られても、確実な売上金の回収が、それも即座になされますが、債務者側にとっては、分割などで一時に支払う必要がなくても、その分手数料・分割による価格の上乗せ分が生じ、かつ、強制的に、毎月確実に口座からとられます。

又、それれらの怠りが重なれば当然ブラックリストに乗り、クレジットは使えなくなります。



本来。昔の様に、分割でも、一々集金者が毎月集金に伺うというシステムにおいては、債権者側は、債務者が「今月ちょっと待ってくれないか?」などと言われて、少し待つという事もよくありましたし、それ以上に、どこかへ逃げてしまうような貸し倒れも、多くありました。しかし、今でも、飲み屋の付けのようなやり方であれば、昔と同じでしょう。

その場合の対応策の一つは、初めに手付金を取るとか、何かを担保にしているとか、少々の貸し倒れがあってもいいようにでしょうか。それとも、ただ単に、信用貸しかもしれません。



さて。この口座引き落としと言うもの、以上のようなメリットがあるものの、従来ならば,集金時に、他の商品を売るという事もできやすかったはずです。

それが、このシステムではできにくいばかりか、顧客を外っている状態であることは確かです。集金分だけ確実に引き落とすことだけが、焦点となっています。

例えば、とある販売でも、一度商品を売れば、その物の分割金の口座引き落とし契約をして、あとは、損害があった時位にしか、顧客に寄り添う事がありません。

その分新規開拓に回っていると言うかもしれませんが、その効果よりも既客を回るほうが、営業をしやすいはずです。効果が高いのではないでしょうか。


それが、どの店でもやっているでしょうか。勿論、どのような販売業界でも似ています。店頭営業で賄える業者とは、日常品を扱うところぐらいでしょうか。多くは、営業に回るしかないでしょう。「そんなことは当然」「うちはやっている」と言う方には、無用な話です。


自動車販売で新人営業マンは、初め家族から身内関係に売ると次がないとかの話はよく聞きます。自動車では、同じ顧客に売るものは、そこにはないかもしれません。

その時はこの話は、もっと別の角度からの考え方に変えなければいけないでしょう。ここで言うのは、あなたの商品が多種であることを前提にしています。


集金に行くときに、営業をする。この時の営業は、情報収集でもあります。(他の物の販売。顧客の関係情報。同業他社の情報等一杯聞きやすいでしょう。)

それに、口座引き落としにより、顧客との接点がほとんどなくなります。営業効率だけで済ませると、顧客は、他に目を移しやすいのも確かです。


富山の薬売りの行商販売は、使った分だけお金を払い、要らないものは返品し新しいいい物があれば買う。売る方も、買う方も「安心」と「また来てくれる」希望・「また行ける」希望を持っています。人件費など、口座引き落としに比べれば、経費が酷くかかりますが、事業者側の売り上げの蓄積がたとえ徐々であったとしても、ゆるぎないのではと思います。

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行政書士 井原法務事務所
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