◀◀◀次の記事                                                         前の記事▶▶▶

国際論への関心


「国家」「国際」についての関心

例えば、ケルゼン著「法と国家」を読み始めました。が、これが又分かりにくい。

そもそもケルゼンと言う人は、その著「純粋法学」と言う本で名が知られている人で、大学の法学部生なら、この人の名を知らない学生はないほどのの著名な学者です。
しかし、本来が法哲学的論理を展開する人なので、文章をはじめとして、その理論は、私の様な稚出な者では太刀打ちできる人ではないのです。
そもそも、法哲学そのものが、具体的事象よりも、法の公式的理論を構築するような学問ですので、あまりにも抽象的表現が多く理解に苦しみます。

ただ、例えば、国際法の違法性において、戦争の違法性をどのようにとらえるかを考えるかについては、このような本を読むことの必要性を感じました。
「何が正しいのか」と言う事を論じる時に、「正戦」の正当性・必然性を考えざるを得ないと言う思考パターンが生まれてきます。



そしてまた、国際法を知ろうとするときにも、法律学事典を傍に置いて調べながら進むのががいいのですが、中でも、実際使っていましたが、国際法辞典(有斐閣)を傍に置いて調べるのがとても分かりやすく便利でした。
例えば、先般、青森北の、津軽海峡をロシア軍艦が通ったニュースがありました。
この海峡は、外国船が勝手に通れるのか・領海内ではないのかとも素人では思いますが、ここか「国際海峡」と言うのだと言う事を知ります。
そこで「国際海峡、通過通行権、無害通航権とは何か」とこの辞典や、国際法のテキストなども引っ張り出して来て調べます。すると、そこには、今までの、事件*1もピックアップしてあります。それをついでに読みます。調べます。
国際論・国際経済論・国際法など国際関係論については、政府関係者だけに必要な分野と言うような感じが有りますが、そうではありません。


やはり、海外に企業を持っているとか、貿易をしているような海外進出している企業にとってもとても必要な情報です。取引先の国だけでなく、世界の情勢をうかがう為にも、国際関係論は必須な分野であるのです。


ちなみに、「大津事件」にみるように国際問題として、本格的に日本がかかわっていくのは、江戸末期ごろからになるのです。
ただ、この事件は、時代が古いことでもあり、現代的な国際法論としての国際事件の判断材料として捉えるのではなく、歴史の一事件としての日露問題とした見方・調べ方がよいのでしょう。抑々、これは、日本初の「司法権の独立」にその法の尊厳を見出した点を評価したものであり、運よく国際紛争にもちこされなかったので、その点からすると、参考になりません。



※ハンスケルゼン=法哲学・憲法・国家学など広範なドイツの法理論を極めた学者。ドイツ人だが、ナチ時代に渡米する。

「法と国家」(東京大学出版会)、「純粋法学」(岩波書店)

*1:「コルフ海峡事件」=国際海峡の判例としては第一の存在であり、国際司法裁判所での最初の事件と言う。アルバニア海峡をめぐるイギリスとアルバニアの紛争。

参照:「近代法思想史の人々」(日本評論社)ケルゼンの項目

「国際法辞典」(有斐閣)=国際海峡などについては載っていますが、津軽海峡がそれだと言う事は載っていません。

「コンサイス条約集」(三省堂)=国際司法裁判所の主要判例集も載っている。

国際連合については、「国際連合の安全保障」(有斐閣)と言うのが有ります。

国際法に関しては、グロチュウスの「戦争と平和の法」を読破するのが先でしょうがどこにあるのやらと言う感じです。

とは言え、ケルゼンを最初に読むのではなく、やはり、国際法についての概説書を読まないといけません。例えば、「国際法」(田畑茂二郎)。「国際連合」(岩波新書)

※「大津事件」(岩波文庫)

0コメント

  • 1000 / 1000


行政書士 井原法務事務所
TEL/FAX 058-241-3583