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探索出来ない用語

法律ばかりではなく、どのような専門用語でも、辞典やテキストで調べることが出来ないと、その先どうしていいのかわかりません。
そんな時は、その用語が出ているだろうことを期待して=つまり、他の参考書類を調べて、載っていることを期待しながら、他の文献をまさぐるに必死にもなります。


そして、その用語が、ネット上で簡単に検索でき、又、現在出版されている書物には書かれていたりしていると、自分が所有している書物にその用語が、出ていない時は、がっかりします。
それが、最新用語と言うなら分かりもしますが、そうではなく、法律制定当初からある言葉であったりすれば、何故、載っていないのかという不信感といら立ちや、手元不如意にも似た面もちで、落ち込みもして仕舞います。
一冊の基本的な書物で、すべて掲載されていると言う事は大概ないわけで、数冊あれもこれも、いつでも探せるよう手元に貯めて置いてあっても探せない=書いてないと言う場合です。



例えば研修で聞いたことは、復習の際に、法律辞典や、各テキストで、用語也、判例也を調べてみますが、それが無い時です。
今般研修に出てきた言葉のひとつに①「二段の推定」という用語があります。
有斐閣の「法律用語辞典」にも、現在出版されている最新の第5判である有斐閣「法律学小事典」※1でも載っていません。


この①は、民事訴訟用語でありますが、私の持っている本が古いとは言え、民事訴訟の基本的テキストにも全くありません。(ここで、やはり,検索で必要とされるのが、「索引」です。これは、「索引がある事及び、詳しい索引である事」が大事です。それがなされていないと、その本をはじめから全て読み直して調べるしかありません。故に、「索引」と言うものの、必要性・便利さが問われてきます。索引のないものやいい加減であるものは、いくら、名著であっても、使えない書物だと言っても言い過ぎではないでしょう。索引は、その書物を出版する際、いかに、校正が良くなされていたかを物語りもする証拠でもあります。法律書の場合、用語だけでなく、判例索引も掲載されている本と言うものもいい本です。)


また、➁「擬律・擬律判断」と言うことばも同じです。
「ぎりつ」と読みますが。普段聞きなれない言葉であるにもかかわらず、国語辞典には載っていませんが、広辞苑に載っているくらいです。
「擬律」とは、「裁判所において、具体的な事件に法規を適用すること」とあります。
これは、有斐閣の「法律学事典」や「法律学小事典」には、少し掲載してあります。しかし、一般の基本署などの多くのテキストには、それが有りません。



いくら今の世の中、ネットで調べれば、検索できることが多いとは言え、専門的であればあるほど、詳しく調べられないので、それについて書かれた現物の本を探して、読み漁らなければならないのはこれからも続きます。
ネットで、検索できるのは、簡単に言えば初歩的なうわべと言う様な浅い資料が多いともいえるのです。もっと詳しくもっと詳しくと言っても、ネットには出ていません。
ネットはいわば、一言で言えば、世界万物百科辞典※2のようなものです。



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※1:「法律学小事典」第5版(有斐閣)=現在法律学事典としては最高位と言われます。確かに同じ有斐閣の「法律学辞典」より、判型が小さい割には、語数が多いです。

※2:「事典」と「辞典」、「字典」とは内容・構成においても違うものです。

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行政書士 井原法務事務所
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