「願望は思考の父である。」(E.H.カー)
正に、そう言えるでしょう。
人は多くの事を考える中で、感情が左右し、「あれをやりたい」「これをしたい」と多くの「望み」をもって生きて居ます。と言って全てが「願望」として規則だったとか、形づけられたものでばかりではなく、自然とおのずから出てくる「Want=欲」に過ぎないでしょう。ただ、人間である以上、1から10まで、欲だけではありません。その逆の「不要」も当然思いつくものなので、思考、感情は常に交錯しながら、叉重複や前後しながら、そして、積み重ね乍体験の中で、それは、暈を増し、知識となって、脳内に、心の中に蓄積されるでしょう。(不要も願望ですが)
「願望は思考の父である」とは、あまりにも簡単明瞭な表現ではないでしょうか。一つの定理・諺の如く表現しているので、あたかも、理論的かつ難しくも聞こえますが、何ら、難しいわけでも何でもなく、理解しやすい言葉でしょう。
これは、E.H.カーの著作「危機の二十年」と言う本の中に出てくる言葉※1です。
この書は、国際政治を考える上での名著の1つでもありましたが、第1回目の出版が、1939年で時代的にも古く、その対象とする年代が、1919年~1939年の20年間を対象にしており、「理想主義と現実主義との政治について言及しています」。これが国際政治史の中の一時代として光を当てています。その意味では、今となっては、歴史の一面を見るだけに終わるかもしれません。
この本については、以前「本の話・書評」※2の中でこちらでも紹介しています。
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