この本は、スイス人のハンス・クリフトという人の書いた書物の翻訳です。
「夢学」という学問があるようですが、その界では著明者とあります。
そもそも「夢学」と言うものが、科学体系の中での一学問としての一を占めているとはあまり想像だにしなかったのです。
勿論、今の様な科学の発達著しい現代にあっては新しい学問が暇なく世に出てくることには目を見張るわけですが。
古来より、人の夢をとらえる書籍等に有っても、その多くは、呪いやら占いの判断にすぎない部分ばかりが横行して、科学的な分析がなされることは少なく、しかも、中には不可思議な現象も伴ったりして、夢の解明は、未だに精神科学上においても解明されているものではないでしょう。そもそも、脳内の思考回路や各種分泌物も少しずつ解明はされているものの、其の内部の不思議さ・緻密さ・すばらしさには圧倒される世界が広がっているばかりです。
さて、誰しもが寝ている間に見るであろう多くの夢を、分析したがるのは人の常であり、いい夢・悪い夢の解析を誰かに委ねるのも人の常です。
それらを世界から集め集積したものが本となって表されたのこれらのものだという事ですが、果たして、どれくらいの正確さを以てそれが説明されているかは「当たるも八卦・当たらぬも八卦」的に感ずるところであるのは、はずれているわけでもないでしょう。
又,本来、このような説明書があっても、初めから「夢は夢にすぎない」として、信じない人も当然います。
その点から言っても、非科学的な説明しか載っていないとも感ずるところです。
其れゆえに、読んでいても、花言葉の意味を調べるような感じすら持ちえますので、読み物半部の書としても、多くの人の意図するところであり、この種の本は若い世代、特に若い女の子たちの関心の的であるには、姓名判断・占い等の部類と同じであって、楽しみの一つにしかとらえられないことも多いものです。
とは言え、この種の本を一冊持っていれば、夜毎みる夢の判断には、少しでも説明に沿えば、納得する時もあって、ストレスの解明にも幸いなるかもしれないと言う点においては、家庭に1冊有ってもいい本だともいえるでしょう。
本来生活上におけるあらゆる事象の問題に対して何かしらの判断が要求されることは少なくありませんから、これも、夢を基本にする問題解明の判断材料・判断道具であるとしての価値は持っています。本と言うのはそういう道具であるのです。
※「夢事典」自由都市社
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