時として人はどんなお仕事ですか?と問われる時、「先生業」ですと言う事があります。
しかし「先生」とか「先生業」などと言うのは、職業はありません。
職業を問われれば、「教師」と答えるのが、正しいのは言うまでもありません。
書類の職業欄に「先生業」などと書く人はいません。
若し書く人が居たら、冗談か、おごりたかリにすぎません。
本来「先生」と言うのは、教育の現場(学校だけではなく、広く一般に)において、知識を教える立場にある人・教えを授ける人・指導的立場にある人を指して、知識を受け取る側の者から対しての相手を呼ぶ際の敬称です。
このとき「〇〇さん」づけで呼ぶ事はほとんどありません。それは「教えてもらう」と言う側の立場があるからです。相手を敬って呼ぶのです。そもそも、教育と言う知識を教える現場においては、無償のものであるのが本来の姿です。有料で教えると言うのは、事業に他なりません。
ただ、学校などの教育の現場においては、教師は、生活していく手段としての給料と言う形での報酬がないと、無償では生きていけません。
士業においても「先生」扱いされていますが、決して教育の現場にあるのとは違うのです。
しかも、我々士業は、一事業者に過ぎないのです。
扱っている商品が「知識」「情報」なのです。「それを売ってなんぼ」の世界です。小売業者・製造加工業者となんら変わりません。
無償で、私たちは、これらを売っているのではありません。ですから「相談」も私たちには商品なのです。
専門的知識を提供するので、相手からすると、教育者と同じ先生呼ばわりするにすぎません。何も偉いわけでもありません。社会的地位が高いわけでもありません。ただ弁護士などからすると、より一層法律家として専門性が特別なので、一般人からしても、その知識の取得者に対しての呼び方として「先生」を使うのです。
それに「先生」呼ばわりされるより「〇〇さん」呼ばわりで在るべきなのです。
「お客さんに使われる」と言う立場でいいのです。いわゆるお金をもらって。知識情報を提供すると言う奉仕と考えるべきです。
別の言い方をすれば、知識情報の便利屋的存在です。ただ、総合知識の情報提供の便利屋ではありません。行政書士としての便利屋稼業です。しかも、行政書士業務全てに通じているわけでもありません。
特に行政書士は、その業務範囲が他と比べて広すぎますから。
開業時から「先生」と呼ばれて浮足立っていたら、それであなたはもう失敗です。
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