本と言うのは、随筆や小説類を代表として、目次は有っても、「索引」と言うものは必要もないので有りません。他にあるとすれば,前書きや後書きでしょう。
前書きがあっても、あとがきの無いものも多く見受けられます。
これらのあるなしは、筆者の思いが伝わりやすいし、内容の目的や制作時のエピソードなどもうかがえて、時として楽しくもあります。
逆に、さらっと前書きを添えてあるだけの書物は、内容にもよりけりですが、その書物へのいざないを誘発させにくいとも言えます。
これに対し、専門書と言うのは、まえがき・目次・あとがき・索引があるほうが、丁寧な造りであると言えます。又、必要です。
中には、目次だけで他に何もないと言うものも時として見かけますが、その様な本に出会う時は、筆者の意図の奥行が見えません。
また、目次も、筆者により単純なもの・細かいもの色々ですが、細かい目次と言うのは少ないものです。
目次も索引も(特に索引は)、細ければ細かいほど丁寧な造りの本だと言えます。
これを逆に言えば、ほんの少しだけの索引は、付け焼刃のようでもあり、むしろ、無い方がすっきりしています。
索引は、専門書であればあるほどに必要不可欠です。専門書が「調べる」・「研究する」を旨としている限り、無い時は、探そうとすれば、マーキングなどしていない限り、何度も読み返さねばなりません。
そこで、索引がない本は最後のページの裏などの空白頁を利用して、そこに、自分なりに、索引を作る事をお勧めします。
あいうえお順に、タイトルとページ数を書いておきます。
また、別に、面倒ですが、パソコンで、索引を作りその本に差し込むのもいいでしょう。
これで、後々その本を調べる時には重宝する事でしょう。
●法律書では、判例索引・条文索引もついているのがありますが、法律書としては、大事な企画構成になっています。しかも、条文索引となるとほとんどありません。いかに学習者に対して気使いがなされた本であるかがうかがえます。税務の判例書や各許認可の判例書でも、判例索引は当然ありますが、条文索引まではありません。そこまで必要がないからでしょうが。
また、専門書には、参考文献・引用文献・参照引用判例などが掲載されています。
引用参照については当然あってしかるべきですが、中には、一冊一冊ごとにコメントをつけてあるときがあります。本当に丁寧です。勿論これらがないから、良い本ではないというのではありませんが、専門書の構成はこうであってほしいと言う基本スタイルだと感じます。参照判例などを掲載する際には、判決年月日・判決裁判所・事件名・掲載本、掲載雑誌名・筆者・などを書く必要があります。これらがないと有名判決以外は、原本に行きつくことが出来ないものです。本や雑誌名が分かれば、筆者による考えの違いを知ることもできます。
延長線的に言えば、社会科学は、数理学の様に公式を使って、算術による答えと言うものが出来ないので、多くの考え方を知る必要があります。(結果的には、それらの行きつくところは、各社会科学の哲学論となってしまいがちですが。)
この索引作りは、学校教育におけるノート作りにもやると便利です。
ノートの最初か最後にこの索引欄を作ることで、そのノートは、検索にスピードが出ますし、知識の整理と記憶が、作りながらなので同時に増加するはずです。
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