1扶養の基本
高齢社社会に有って、高齢者を扶養する事は、一家族内においてはその子供が扶養するのが一般常識であります。
最も、扶養と言っても、高齢者ばかりではなく、家族内の子供や身内の若い人に対しても生活を支えることをはじめ、心身共に支えることも意味します。
これらは「私的扶養」とか「親族的扶養」と言うものです。
扶養する親族は、直系血族と兄弟親族との決まりがあります(民877条1項)※1
それ等に対し、国や県・市等地方自治体が扶養する場合があります。これを「公的扶養」と言います。
これは往々にして、独り身だとか、家族が有っても、扶養できるだけの資産や体力等が無い時に、自治体などの財政によって賄われるものであります。
ただ、本来国民は、自助努力によって、生活を維持するのが務めであります。(自己責任の原則)。それでも、生活できない時に、補足的に援助しますと言う最低限の生活を受けられるものに「生活保護法」と言うものがあるのは誰しもご存知のところです。(これは「公的扶助補足性の原理」と言われます)※2
そして、これは、日本国民に対してなされるものです。昨今出てきている問題は、日本在留の外国人にもこれを認めるべきだと言われています。
現実には、地方自治体が、温情的に外国人に補助を行っているところがあります。
以前、永住権を持っている外国人でも、その権利が無いと言う最高裁判決が出ました。※3
2.扶養の内容
誰が扶養するのか、どれくらいするのかなど内容については、親族間で決めます。又は(協議が出来ない時)、家裁に決めてもらいます。(民878条、879条)
その程度や順番等内容についての規定もります。※1,2
※1 憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
※1. 生活保護法1条「この法律は、日本国憲法25条に規定する理念に基き、国が生活に困
窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限
度の生活を保障するとともに、その自立を助長する事を目的とする」
※1.「義務の準拠法に関する法律」
※1、2 民法877条「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」
民法878条「扶養をする義務のあるものが数人ある場合において、扶養をすべき者の
順序について、当事者間委協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき
は、家庭裁判所がこれを決める。・・・・」
民法879条∼881条 「扶養の程度又は方法」他
※3「永住外国人の生活保護認めない」(最高裁が初判断)
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