11月10日は、エレベーターの日です。
1890(明治23)年東京浅草で「凌雲閣」というビルが作られました。その日を祝して制定されました。12階建てで、日本で初めて、電動式エレベーターが設置されたビル。
▮「安全意識」
人間いつどんな災難に遭うかわからないと言われるのは、安全性のより一層の充足を目指している言葉でもあります。
高層ビルの林立する街中に多いことも、特に注意が促されるところでもあります。その一つとして、「エレベーターの安全」についても、建築基準法として掲げられています。
<【通知】戸開走行保護装置等の設置の促進について (平成24年4月27日)https://www.mlit.go.jp/common/001143252.pdf>において下記のようにあります。
「国土交通省におきましては、平成18年6月のシティハイツ竹芝エレベーター事故等を受け、エレベーターの安全に係る技術基準の見直しを行い、平成21年9月28日以降に着工されたエレベーターについては、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の10第3項第1号に規定する安全装置(戸開走行保護装置)及び同項第2号に規定する安全装置(P波感知型地震時管制運転装置)(以下「戸開走行保護装置等」という。)の設置を義務付けています。一方、それ以外の既設エレベーターについては、設置義務の対象ではありませんが、エレベーターの安全性確保のため戸開走行保護装置等の積極的な設置を促進する必要があるところです。
また、平成23年8月に社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会において取りまとめられた「既設エレベーターの安全確保に向けて 報告書」においても、既設エレベーターの安全性確保に向けて講じるべき措置として、戸開走行保護装置等の設置に係る行政手続きの明確化、戸開走行保護装置等の設置に対する支援策の創設、所有者・利用者の意識啓発のためのマーク表示制度の創設等について提言がなされたところです。
このような背景を踏まえ、下記のとおり、戸開走行保護装置等の設置を促進するための方策を講じることとしましたので通知します。」
ところが、H4.1.11の国交省の報道発表資料によれば、
「エレベーターへの二重ブレーキの設置率は29% ~二重ブレーキの設置状況を調査~」
https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000908.html
とあります。
事故からもうすぐ17年になろうとしています。当時、事故は一件だけでなく同じ会社が何度も起こしています。それ以降のエレベーターは、設置義務があるにもかかわらず、定期検査報告が行われたエレベーター(令和2年度報告)では29%しか行われていないと。
また、中央官庁の庁舎等のエレベーター(令和3年4月1日時点)は、中央官庁35.1%、国会施設15.1%、地方公共団体の本庁舎は、53%というデータが出ています。
簡単にはその設置がゆかないのかもしれませんが、数字の低さには驚きです。しかも、古いものには設置義務がないという点もしかりです。
(検索すると、エレベーターをリニューアルすると1基1,200~1,500万かかるとありますが。)
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※赤線は弊所
※平成18年6月3日19時218年6月3日19時20分ごろ東京都港区芝浦シティハウス竹芝の12階で起きた事故。12階のエレベーター5号機の出入口で、エレベーターから降りようとした男性(高校生)が、戸が開いたままエレベーターが上昇し、乗降口の上枠とかごの床部分の間に挟まれ死亡した。これはスイスの日本支社のシンドラーエレべーター株式会社製のエレべーターで、国内外でも多くの同じ事故を起こしている、と言います。
ここで問われる最高のことは、「危機管理」です。危機管理とは、想像できる最悪の危機に関しての防御を備えることを言います。ですから、このようなことまではないだろうと意識があってはいけません。もしかするとこのようなことにまでならないとも限らないという程度まで想定すべきです。そうでないと管理する意味はないのです。
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