◀◀◀次の記事                                                         前の記事▶▶▶

「骨董にせもの雑学ノート」佐々木三味著 📖

昔から、書画骨董も「にせもの」がはびこる世界であるとは言われていることで今更言うまでもないことですが、この本がその見方を披露してくれます。
元は昭和29年出版の「書画骨董 にせものがたり」という本だそうで、著者は、茶人としての地位は相当な人でもあったようです。
しかも、この書がバイブルとしての価値を得ていたような幻の名著とあり、多くのその道の趣味人にも読み継がれてきたというのです。
現代表記に改められた復刻版であるので、読むにはありがたいものです。


骨董というものはやはり、その道のマニアックな人でないと、わからないでしょうが、素人であっても、床の間のひとつでもある家なら、何かしらの茶器や土器をおきたいものでしょう。

それがにせものとか、安物であるということがわかって購入したとしても、床の間にひとつぽつんと飾れば、その人にとっては何かしらの威厳を持つのは想像できるところです。

勿論本物である物には、到底価値云々を問うことはできません。ましてや、その場に、骨董鑑定人でも居たならば、返って恥ずかしい思いにもかられるに違いありません。

しかし、そのような人が同席することは一般には稀であるので、そんな心配はないにしても、それなりに世間的地位のある人が床の間に坐すれば、少しはその内実をば問われることもあるかもしれません。すると、やはり、安物であっても本物が一つぐらいは同居させたいと思うのは人の常です。

この本が、その時のためにも役立つのではないでしょうか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※「骨董にせもの雑学ノート」佐々木三味著(ダイヤモンド社)

0コメント

  • 1000 / 1000


行政書士 井原法務事務所
TEL/FAX 058-241-3583